週刊俳句のスピンオフ。忌日俳句をつくるサイトです。
立小便見られて中川一郎忌一郎忌薬は未だ飲み込めず
高原の小枝に小森和子の忌おばちゃまが敬語小森和子の忌円谷幸吉忌白黒画像どこまでも
塵溜に眠るごと宇野重吉忌 猫髭宇野重吉というのは「民藝」で見ると臭い演技で好きではなかったが、熊井啓の映画『日本列島』の演技は絶品。この映画は日米の闇黒史を描いた熊井啓の最高傑作であるとともに宇野重吉と芦川いずみの最高傑作でもある。というか、加藤嘉はじめ、音楽の伊福部昭と、この映画に出てきた俳優、スタッフのベストを出さざるを得ない凄い映画だった。日本映画の10本指に入る永遠の傑作と言っていい。絶対に映画館で見ないといけない映画とはこれで、ラスト近くの芦川いづみの廊下のシーンから宇野重吉の姿を俯瞰する場面は、何度見ても、わかっていても逃れられない、魂から感動する、映画でなければ表現できなかった名シーンである。絶対ここで感動するよと言われて、馬鹿馬鹿しいと思っていても、感動しちゃうように出来ている。あのジェット機が窓にふっふっと・・・。
干し柿も餅も美味しう円谷忌 猫髭「父上様、母上様、三日とろゝ美味しうございました。干し柿もちも美味しうございました。敏雄兄、姉上様、おすし美味しうございました。克美兄、姉上様、ブドウ酒とリンゴ美味しうございました。巌兄、姉上様、しめそし、南ばん漬け美味しうございました。喜久蔵兄、姉上様、ブドウ液、養命酒美味しうございました。又いつも洗濯ありがとうございました。幸造兄、姉上様、往復車に便乗させて戴き有難うございました。モンゴいか美味しうございました。正男兄、姉上様、お気を煩わして大変申しわけありませんでした。幸雄君、秀雄君、幹雄君、敏子ちゃん、ひで子ちゃん、良介君、敦久君、みよ子ちゃん、ゆき江ちゃん、光江ちゃん、彰君、芳幸君、恵子ちゃん、幸栄君、裕ちゃん、キーちゃん、正祠君、立派な人になって下さい。父上様、母上様。幸吉はもうすつかり疲れ切つてしまつて走れません。何卒お許し下さい。気が休まることもなく御苦労、御心配をお掛け致し申しわけありません。幸吉は父母上様の側で暮らしとうございました」。円谷幸吉の遺書全文。
青々の忌なり空あくまで青し 猫髭子規の『病牀六尺』の七十一に青々の「甘酒屋打出の浜に卸しけり」という句を巡る子規と碧梧桐のやりとりがある。わたくしは俳句の師弟のやりとりを越えて、師弟というものが本来どういうものであるかをこれほど「この師弟を見よ」と見事に証している文章を知らない。青々の句集『妻木』は個人句集としては実に膨大なものだが、右城暮石や茨木和生が青々の詠んでいない季語にチャレンジするのはむべなるかなというほど、広汎に、しかも自然に詠んでおり、「倦鳥」から「運河」への青々・暮石・和生の師弟の流れも、例えば彼らが河鹿を詠んだ句などを並べると、脈々と子規と碧梧桐の照応の歴史が流れていると感ずる。
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5 件のコメント:
立小便見られて中川一郎忌
一郎忌薬は未だ飲み込めず
高原の小枝に小森和子の忌
おばちゃまが敬語小森和子の忌
円谷幸吉忌白黒画像どこまでも
塵溜に眠るごと宇野重吉忌 猫髭
宇野重吉というのは「民藝」で見ると臭い演技で好きではなかったが、熊井啓の映画『日本列島』の演技は絶品。この映画は日米の闇黒史を描いた熊井啓の最高傑作であるとともに宇野重吉と芦川いずみの最高傑作でもある。というか、加藤嘉はじめ、音楽の伊福部昭と、この映画に出てきた俳優、スタッフのベストを出さざるを得ない凄い映画だった。日本映画の10本指に入る永遠の傑作と言っていい。絶対に映画館で見ないといけない映画とはこれで、ラスト近くの芦川いづみの廊下のシーンから宇野重吉の姿を俯瞰する場面は、何度見ても、わかっていても逃れられない、魂から感動する、映画でなければ表現できなかった名シーンである。
絶対ここで感動するよと言われて、馬鹿馬鹿しいと思っていても、感動しちゃうように出来ている。あのジェット機が窓にふっふっと・・・。
干し柿も餅も美味しう円谷忌 猫髭
「父上様、母上様、三日とろゝ美味しうございました。干し柿もちも美味しうございました。敏雄兄、姉上様、おすし美味しうございました。克美兄、姉上様、ブドウ酒とリンゴ美味しうございました。
巌兄、姉上様、しめそし、南ばん漬け美味しうございました。喜久蔵兄、姉上様、ブドウ液、養命酒美味しうございました。又いつも洗濯ありがとうございました。
幸造兄、姉上様、往復車に便乗させて戴き有難うございました。モンゴいか美味しうございました。正男兄、姉上様、お気を煩わして大変申しわけありませんでした。
幸雄君、秀雄君、幹雄君、敏子ちゃん、ひで子ちゃん、良介君、敦久君、みよ子ちゃん、ゆき江ちゃん、光江ちゃん、彰君、芳幸君、恵子ちゃん、幸栄君、裕ちゃん、キーちゃん、正祠君、立派な人になって下さい。
父上様、母上様。幸吉はもうすつかり疲れ切つてしまつて走れません。何卒お許し下さい。気が休まることもなく御苦労、御心配をお掛け致し申しわけありません。幸吉は父母上様の側で暮らしとうございました」。円谷幸吉の遺書全文。
青々の忌なり空あくまで青し 猫髭
子規の『病牀六尺』の七十一に青々の「甘酒屋打出の浜に卸しけり」という句を巡る子規と碧梧桐のやりとりがある。わたくしは俳句の師弟のやりとりを越えて、師弟というものが本来どういうものであるかをこれほど「この師弟を見よ」と見事に証している文章を知らない。
青々の句集『妻木』は個人句集としては実に膨大なものだが、右城暮石や茨木和生が青々の詠んでいない季語にチャレンジするのはむべなるかなというほど、広汎に、しかも自然に詠んでおり、「倦鳥」から「運河」への青々・暮石・和生の師弟の流れも、例えば彼らが河鹿を詠んだ句などを並べると、脈々と子規と碧梧桐の照応の歴史が流れていると感ずる。
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